バーバルvs.ノンバーバル~小児科診療の基礎~
”子供って自分で症状言わないのによく診察できるよね”
とよく小児科医以外の先生に言われる。だから全科当直が嫌な理由だと。
自分の専門領域以外を診察することほどいやなことはないので、もっともな話だが・・・。
小児科医TOMOTOMOは言葉によらない情報のほうが価値があると思っている。
言葉を話せない赤ちゃんほど、体全身で訴えているからだ。
言葉以外から感じるメッセージ・・・ノンバーバルという。(バーバルはその反対、言葉によるもの)
顔色、表情、呼吸の仕方、手足の冷たさ、反応、目つき、肌のつや、舌や唇の色・・・。
検査データに異常がなかったとしてもおこちゃまの急変はよくある。だからこのノンバーバルな情報がとにかく大事になってくる。
子供はウソをつけない。ついても見え透いたウソ。小児科医にはすぐばれてしまう。
もし小児科医がバーバルのみの診療を行ったら?
エセ小児科医と呼んであげよう。
それゆえ小児科医はnon KYだと思うが、時におもいっきりKYである腹立たしい小児科医も中にいる。(カルテが山積みになっても決してペースを速めないなどなど・・・)
子供はちょっとした違和感があったとする。自分でもよく分からない痛みでもかゆみでも。そんなとき”おなかイタイ”という便利な言葉が存在する。
本当にお腹が痛くて待ったがきかない状態のときには、おなかはカチンカチンだ。
にこにこ笑って、”おなかイタイ”はいわない。
大人は病院でまた大げさに病人を演じることがよくある。
手厚く診てもらいたいからだ。
しかしそうもいかない。
TOMOTOMO、大人はウソをつくのであまり診たくないというのが本音。
大げさでも大げさでなくても。
大げさでないために、言葉だけでひっかかりそうになったこと何度もある。
”歩くと少し息切れするんですよ”と平然とした大人の患者様。
普通にすたすた歩いているし・・・でも、写真ぐらい(レントゲンのこと)撮っておくか~。(診察所見は別としても)
心臓がでかくなってるし、し、しかも胸水も・・・。
((もっと重症感演じろ~~~。我慢するな~~))
大人の患者様のノンバーバルを読み取ることは、バーバルという邪魔者が存在するので、TOMOTOMOは苦手である。
おこちゃまの場合、たとえママがバーバル情報たくさんくれてもそれは邪魔者には決してならない。だからTOMOTOMOは小児科医なんだといつも思う。
当直ネタをここでひとつ・・・
”夜眠れないんです・・・”と訴える患者様。深夜3時過ぎに起こされる。
”寝なくても死にません・・・私はあなたのおかげで夜眠られないんですよ(怒)。”
とでも言おうものなら社会的問題になるから、あえて言わないが、眠剤を処方というきちんとした方法もあるが、医師からだされた薬、病院にいったという安心感から、乳糖でも眠ることができるらしい。(プラセボ効果という)
そうこうしてくると夜も明けて、朝を迎えるから眠れなくてもどうでもいい。
そしてようやく睡魔はやってくる。
((睡魔よ、早くやってこい!))
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コメント
わたしはあなたのおかげで眠れない・・・には思わず笑いました。まったくそのとおりですよね。ところで、今日テレビで常識知らずの親(モンスターペアレンツ)で小児科医が困っているという話を見ました。tomotomoのことを思い出して、大変な仕事をなさっているなと思いました。がんばってね!
投稿: marine fish | 2007年12月19日 (水) 21時09分